2011年10月5日水曜日

JG22日目[番外編]「永田賢介の今後キャリアパス」

こんにちわ、ジン@永田賢介です。ここ2〜3日更新が滞ってしまってすみません。
ちょっと予定より早く、色々と仕事が動き出しまして。言い訳というつもりではないのですが、今日はここで番外編ということで、最近の自分の状況と僕の今後を(勝手に)シェアさせて頂ければと思います。



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8月末に東京から福岡に戻って来ています。この勉強チャレンジに集中するため、福岡に帰った事をあまりオープンにはしていなかったのですが、何かとお誘いがあるとついつい外に出てしまっておりまして。
もちろん、遊びの予定 ということではなく、ミーティングやセミナーでちょっと喋って欲しいという依頼とかですね。

で、そういうちゅうぶらりんな状態ということもあるのか(まあ以前からか?)「ジンさんって何している人?」とよく聞かれます。
9月までは「無職」「お勉強しています」ということにしていたのですが、仕事が一件入った事もあり、10月からは「NPOのコンサル 兼 雇われプロジェクトマネージャーで、フリーランス独立しました」ということにしました。NPO的に言うなら「1人中間支援」でも良いかもしれません。

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元々前職の時から、プライベートで任意NPO団体を作って、夜と週末には自主イベントの他にNPOのコーディネートとかしてはいましたが、やっぱり対象であるNPO自身にお金がないです。
その時は昼の職場からお給料もらってたし、勉強にもなるしそれで良いとしていましたが、いずれはそちらを本業にシフトさせていくつもりだった。

だから僕は、1年間の修行でファンドレイジングを学んで、自分でお金を引っ張って来て「これで一緒にプロジェクトやりましょう、それで僕の人件費や外注費も払ってください」と言えるようになりたかったんです。

東京では、学生でもないのにインターンとしていくつかNPOの活動を回って、尊敬する人に鞄持ちとして師事して、その周りのコミュニティとも関わらせてもらって、短い期間だったですけどファンドレイザーとしても小さな結果を出し、実際に得たことは多かったと思います。

でも、それでも、きっとまだまだこれからで。
東京で教えてもらったものは「スキル」ではなく「在り方」、得たものは「肩書き」よりも「覚悟」だから。

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僕はまだ自分に【値付け】が出来ません。特別な資格を持っている訳じゃないし、前職がブランドになる訳でもない。
自分で仕事を創って、お金を回して、実績を積んでいかないと、自分にどれくらいの市場価値があるのかわかりません、相手に喜んでもらえる価値を生み、正当な対価として受け取れるのかを、見えるようにしていきたい。
というかもしかしたら、その市場そのものをつくっていかないといけないのかもしれませんが。

自分さえ食えればいいなら、多分東京に残っていた方が仕事もあったはず。
でもまずは自分が、そしていずれは、周りの若い仲間達も福岡のNPOセクターで安定した就職をし、人並みの給料をもらって働いていけるようにしたいんです。

実際、10月から約半年間かけて、ハンズオン型のコンサル仕事を一本頂きましたが、逆に言えば今のところ僕の収入源はそれだけ。毎月の携帯代とWiFi代、保険を払ったら、ふーっと飛んでいってしまう額です。
実家に甘えさせてもらっている今の状況から、少しでも早く脱さなければならない。けれど、収入のために下手にアルバイトや興味の無い仕事に手を出してしまうと、いつまで経ってもその場しのぎになってしまう。

どこで、ぎりぎりのラインを引いていくか。

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きっとこれから暫くは、かなりしんどいと思います。まだまだ新しく知るべき事、引き続き学ばなければならない事も沢山ある。でも大変有り難い事に、福岡にも多く学ぶことができるメンターも見つかりました。(というか、実は東京に行く前に勝手に自分の心の中では決めていたのですが)

「自分ならできそう」と思ったからチャレンジするんじゃなくて、「自分がやらなきゃいけない、やるべき」と思ったから、出来るようになる地点まで行くしかないだけ。

「1年間福岡を離れてて久しぶりだけど、全然変わらないね」って言われる位がいいんです。僕は変わる為に変わるんじゃなくて、変わらない為に変わり続けていきたい。ゆっくり、急ぎながら。

まずは週末の「コレクティブハウジング全国大会」までで、きっちり東京での役目を一旦締める。それでちょうど福岡を離れてから1年。

いつの間にか 

うっかりと 

でも確かに 

僕は人生の節目を超えていきます。


皆様、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。


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 *ちなみにこのご寄付はもちろん、僕の収入になったりはしませんので。笑

2011年10月2日日曜日

JG21日目「会議が絶対うまくいく法」

本日ピックアップしました本はこちら。
全ての組織において重要であり、また特に平等な力関係と民主的な意思決定を主とする非営利組織においては、特にマネジメントの難しさが表れるところであり、また本質ではないかと思います。

1976年に書かれ、2003年に日本語訳された古い本ですが、今読んでも非常に普遍的で重要な基礎が押さえられていますし、また、当時においてはかなり先進的/革命的だったのではないかと思われます。

(ちなみに著者の1人マイケル・ドイル氏はインテル、AMD、GE、IBM等様々な一流企業にファシリテーションの技術を導入してきた、著名な戦略コンサルタント&ストラテジストだそうです。)



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1)なぜ会議は重要か

ほとんどの組織において「会議」は毎週毎月結構なペースで実施される。通常、人件費では7~15%がその負担にあてられるそうだ。
しかし、一方において「会議は踊る、されど進まず」と評されるように、一辺倒の儀式のように形式張っていて、その効果が実感されないという声も良く聞かれるのではないか。

会議は、1人では解決できない問題を複数の知恵を持ち寄ることで解決していく、また意思決定のプロセスに組織のメンバーを参加させ主体性を生むための手法だ。その成否の評価は「結果」と「プロセス」という2つの基準によって計られる。

まず、この本の最初に、会議を成功させるには、出席者全員が一つの問題、一つの進め方に同意していることが絶対条件としている。
●何を解決するか・・・コンテンツ(問題/話題/議題)
●どのように解決するか・・・プロセス(アプローチ/方法/進め方)
これらの前提を共有することにまずは力と時間を割くべきであり、ここが共有されない限り、議論は一方的なものかもしくはバラバラになってしまう。

会議における「コンセンサス(合意)」は、誰かを説得したり妥協させたりすることではなく、全員納得出来る状況を作り出すまで協力し合うという強い意志であるとこの本では定義されている。
多数決のような調停手法では必ず「Win-Lose」の関係になってしまい、それは共同作業ではない。意見の違いは自然なことであるという前提の上に立ち、ベストではなくても皆が納得できる解決策を出せることが「Win-Win」の状況と言えるだろう。


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2)役割分担

本書の中で取り扱う会議運営手法は「ケース・メソッド」と呼ばれるものであり、いまでこそ少なくなった「リーダー=議事進行役」という枠組みを廃し、参加者の役割分担を明確にしている。

「マネージャー」「ファシリテーター」「メンバー」「書記」
以下に、それぞれの役割を確認していこう。

A.マネージャー
責任、権限を持ち、最終的な判断を下すリーダー。会議のプロセスをコントロールしようとしてはいけないがメンバーの1人といて議論には参加する。
最終的に結論が出ない場合の判断、また決定事項の実施と普及も行う。

B.ファシリテーター
完全に中立な立場に立ち、議事のスムーズな進行に尽くす役割。全員が発言しやすい前向きで建設的な雰囲気を作り、またそれを阻害するような個人攻撃や批判のみの発言、1人だけが長時間喋り続ける状況を避ける。
また「コンテンツ」と「プロセス」を区別し、整理して、どのような議事進行を行うかを参加者の同意を得ながら決めていく。

C.メンバー
会議の中心であると同時に、ファシリテーターや書記の監視役でもある。100%中立になれる人間はいないので、彼らの考え方や感情が会議に影響を及ぼすようであればそれを注意する。

D.書記
ホワイトボードもしくは模造紙に「会議メモ」を作成する。内容は箇条書きで構わない。可能な限り半円形の座席配置にすることで、参加者の意識とエネルギーをメモ(議題)に向けることが望ましい。具体的効用は以下。
・参加者がメモを取らず会議に集中できる
・議事が適切な順を追って進行し・また遡らずに済む
・遅刻者も現状を把握しやすい
・会議のプロセスを可視化する
・図や表を描くことができる
・個人のアイデアをグループのものとして取り扱うことができる。
(人間関係に左右されず価値・有効性の評価をできる)


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3)タイプ別会議の進め方

一口に会議と言ってもその種類は様々である。それぞれの目的に応じた開き方、進め方をしなければならない。

ア.問題解決のための会議
現状を変えることが問題解決であるならば、まずはその現状を「問題」として認識するという点を共有しておかなければならない。また、メンバーの中に「どう取り組むか」を知っている人がいるということも重要な条件だ。

イ.意思決定のための会議
ピラミッド型の組織では最終的な決定権を持つ人間が限られている、また企業の取締役会のような水平的な組織であれば多数決にならざるをえない場面もある。
会議の前に必ず「どのように決定するか」「誰が決定するか」をメンバーに周知しておかなければ、強引に押し切られたと感じたり、また、形式だけであったと思われかねない。

ウ.計画を立てるための会議
短期的な実務的計画であれば、なるべく参加者が少ない方が早く決まりまた詳細を考慮することが出来る。逆に長期的な目標設定や戦略検討であれば、多くの人に参加してもらった方がその意識を高めることができるだろう。

エ.報告/発表のための会議
このタイプの会議が最も間違った方法で運営されやすい。単なる報告であれば他の手段で構わないし、もし報告を聞いた後に問題の所在を明らかにして解決に向かおうとするのであれば、質疑応答や問題解決型会議へのシフトは必須になるだろう。

オ.評価/フィードバックのための会議
結果を出すための会議とは大きく正確が異なる。通常以上に会議の運営を計画し、批判的にならないようにしなければならない。全員から発言を引き出し記録を残していくため、ファシリテーターと書記の役割が更に重要となる。


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4)問題解決

問題を解決していくには、一定のステップを踏んでいく必要がある。個人レベルでは無意識にでも進んでいくプロセスを全体で行っていくため、ファシリテーターは力を割かなければならない。

ステップ①問題の認知
「問題=悪」ではないということをメンバーに徹底して認知させた上で、複数の角度からの問題の認識をすりあわせていく。問題を顕在化させ、それが放置された場合と解決した場合のシナリオをプランニングする。

ステップ②問題の定義
問題の分野を限定する、同時に狭くなりすぎた場合に見逃す危険性にも注意する。解決策と問題定義を明確に切り離す。

ステップ③問題の分析
問題をいくつかの構成要素に分解して考える。5W1Hや、維持力と改善抑止力の関係性を明確にする。下位問題への分化をする際には一般論と具体的な事例のバランスに注意する。

ステップ④選択肢の作成
ブレインストーミングや形態分析、既存の解決策のリスト化、付箋によるキーワードの切り離しと移動等の手段を用いて、クリエイティブなアプローチを増やしていく。

ステップ⑤選択肢の評価
どの選択肢が「良い」と判断するかは、自然のままでは個人的価値基準に依ってしまう。必ず判断の前に共通の判断基準を作り、合意しておかなければならない。

ステップ⑥意思決定
前提として、単一の案を選ぶ必要は無い。但し、全員一致のコンセンサスを得るまでは、要望を追加していく「足し算」と呑めない条項を削除していく「引き算」を駆使し微調整とし続けていく。

ステップ⑦計画
意思決定の後には実行の方策を議論することが多い、その手法には「フローチャート」「ゴールからの逆算」「5W1Hの明確化」「長期目標と短期目標の設定」などを駆使し組み合わせながら形にしていく。

ステップ⑧実践とフィードバック
まずはテストとしてとにかう実践し、その結果をモニタリングする。失敗を恐れずに適宜修正を加えて解決へ近づけていく。

*主には準備段階である①〜③に会議の時間の多くを割くべきとの注意書きもある。


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今回はちょっと文章ばかり、それも中身をまとめただけのものになってしまいました。
ただ、それでも今後自分がチームをマネジメントしていく時、また、もっと大きなフレームで僕たちが「対話し、合意形成し、自分たちで社会を創っていく」ことに対しても、基礎力を高めていくことができた気はしています。
こちらも師匠の1人から貰い受けましたが、ビジネス名著としてオススメ。

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2011年10月1日土曜日

JG20日目「コミュニティデザイン」

今回のチャレンジ寄付先になっている「コレクティブハウジング」という取り組みは、単に人々が集まって暮らす家を造るということではなく、開かれたコミュニティをつくっていくプロセスにその本質があるような気がしています。

そういう意味で、今回の課題図書のサブタイトル「人がつながるしくみをつくる」は、とても親和性が高いかなとか。

つい先日福岡にいらっしゃったにも関わらず、残念ながら講演を聴きそびれてしまった山崎亮さん。改めて本から触れていきます。




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1.風景を創るということ

著者である山崎氏がいわゆる通常のランドスケープデザインから、コミュニティデザインへと少しずつ舵を切ったのは、つまり「ハード」から「ソフト」への移行であった。
「つくる」ことをいったん辞め、デザインの行き先を多くの人の手に委ねる。また委ねると言っても投げっぱなしにせず、「つくるしくみをつくる」ことが彼の仕事だという。

形としての公園が完成したら終わりではなく、市民参加型の「パークマネジメント」という概念を導入したプロジェクトでは、NPO等の市民活動団体をディズニーランドのキャストになぞらえて運営に参加させた。
それはいわゆる「ボランティア」のイメージではなく、楽しんでいる人がいる場所に、更に人が集まってくるというごく自然な営み。

ここで重要なのはきっと「余白があること」だ。
最初から100%完成したものが目の前にあれば、人は消費者となってしまう。山崎氏がデザインした(あるいは、しなかった)場の「ホワイトスペース」にこそ、人が当事者として場に関わっていくこと、そしてコミュティが作られていく理由があるのだと思う。


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2.人を巻き込むしかけ

その後「まちづくり」の請け負い人(ファシリテーター)として全国各地でプロジェクトを進める山崎氏の仕事は、必ず共通して同じ地点からスタートしている。それは、「ヒアリング」。
まち を つくる と言っても、外から人が入って来て、建物を作ったりイベントを打って、一時的に観光客を増やしたり、外からの流れるお金を増やすような文脈の「町興し」とは全く逆のアプローチだ。

その土地に住む、これからもその町に生き未来に責任を負う人々の声を聴く事から始める。対話はこちらが話し始める事からはスタートしない。
昔ながらのムラコミュニティには、古くから続く対立構造や権力関係、また、触れてはいけないタブーも少なくはない。そこから切り込んでいく手段として、彼の用いる手法に二つ興味深いポイントがある。

1つ目…しがらみにとらわれず、かつ素直で純粋な心を持って大人達に接することが出来る部外者「学生」の力を借りる
2つ目…その土地の対立構造の前線ではなく、後ろにいる人々に焦点をあて、そこから仲良くなっていく。ex)地域の「お母さん達」「子ども達」

特に2つ目については、立場や責任を重んじる日本社会において、良い意味で有益な「根回し」であると考えられるし、また、彼が作ったコミュニティでは、その後の維持管理の為にファシリテーター役のスタッフや組織を間に挟んでいることからも、人間関係のアングルづくり・潤滑油に、非常に丁寧な思いを払っていることがわかる。


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3.みんなができること

島根県海士町は、通常、外部のシンクタンクに任せっきりになりがちで実を得ることが少ない「総合振興計画」を住民参画で制作した。
そこに関わった山崎氏が伝えたメッセージは
「1人でできること、10人でできること、100人でできること、1000人でできること。」というもの。

グループワークショップで発案されたプロジェクトをの後に「1人出来ることは明日からでも始める、10人で出来ることはそのままグループのチームで取りかかる、100人、1000人必要なものは行政と恊働していこう」となった。
それは、逆に言えば何でも行政任せにしないということ、私/共/公のラインを探っていくことで、「新しい公共」の担い手としての自覚を目指したとも言える。

更に、最終的にまとめられた海士町総合振興計画の別冊「海士町をつくる24の提案」では、海士町の祭りの象徴であるしゃもじのキャラクターに、それぞれのプロジェクトの発案者を似せた顔を掲載することで、「実行しなきゃまずいなあ」「参加しなかった友人にも見せたい」との声があがり、両面で動線設計が見事にデザインされたものとなった。


デザインとは、何だろうか。
少しでもかじったことがある人なら、一般的には「そのものを綺麗に見せるためのお化粧」であると誤解されていることが多いように感じるのではないか。

311東日本大震災で、山崎氏のstudio-Lと博報堂がコラボレーションして、学生コンペ等を通して生まれた「できますゼッケン」などは、課題解決そのものに至るツールではなく、人々がかかわり合う事での課題解決力を高める為の触媒になる、プロセスデザインであったと言えるだろう。

デザインの可能性(本書より転載)
1)継続を促すデザイン
2)決断を支えるデザイン
3)道を標すデザイン
4)溝を埋めるデザイン
5)関係を紡ぐデザイン


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最後に、山崎氏の関わるプロジェクトは長期に渡るものが多い、長いものであれば10年弱の道のりのまだ半分にも至っていないというものすらある。
一時的ではなく、長く続いていく価値を作る為には、ゆっくり進むことが大事。人が変化のスピードについてこれるように と言う。
しかし、その目指す先に対してだけではなく、きっとその道のりがゆるやかに、しかし一歩一歩未来に近づいていくようなものであればこそ、多くの人が合流することができるのだろう。

結果としてのアウトプット、プロダクト、成果ばかりを見続けることが当たり前になってしまった僕たちの社会が、もう一度その歩む道(プロセス)の豊かさに気付けた時、僕たちは「生きる」ことそのものを目的として生きることが出来るのかもしれないと思った。

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学芸出版社 山崎亮さんインタビュー http://p.tl/Fn2L


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2011年9月30日金曜日

JG19日目「この世で一番大事な『カネ』の話」

ずっと読みたかったこの本、師匠の一人に頂きました。
ていうか「よりみちパンセ!」シリーズの理論社潰れてたんですね。。新装版のこの本を手に取って初めて知りました、帯に書かれているマンガでネタにされているのが、さすがサイバラさんといった感じ。

(僕は結構昔、アジアでしちゃかちゃやってた時の"サイバラリエコ"の印象が強くて、なかなか最近の暖かい系の映画や本に手を出せずにいるのですが)

エッセイとしての本だと、内容が比較的自分に引き寄せた形になってしまうのはご容赦を。



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第1章 
どん底で息をし、どん底で眠っていた。「カネ」がないって、つまりはそういうことだった。

まず印象的なのは、西原氏の2つの故郷の対比だ。
幼い頃を過ごした港町はのどかで「人って気候がよくて食べる物に困らなければ、お金なんかそんなになくたってカリカリしないで暮らしていけるものなのよ」と語る一方、その後母親の再婚で引っ越した工業団地の街は「何か理由があって怒っているというよりは、いっぱいいっぱいの生活のしんどさがお母さんたちを常にイライラさせていた」と表現している。

彼女の地元は窓が割れ、すっぱい臭いが立ちこめる、歩けば床がベタベタする、きちんと風呂にも入れない浮浪者のような子ども達が走り回りる、そんな「戦場のような世界」
戦後の焼け野原ではない、さながら発展途上国。
暴力、窃盗、シンナー、乱交、「貧困」と「さびしさ」から抜け出す事の出来ない連鎖。そして父親の自殺。

「やれば出来る」なんて、カッコ良くて無責任な言葉を軽々しく投げつける大人たちに、マイナスの世界の住人は何を問うのだろう。


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第2章
自分で「カネ」を稼ぐということは、自由を手に入れるということだった。


西原氏は高校3年の時に友人と飲酒をし、退学しろと詰め寄られた際に裁判を起こしている。正直、「飲酒程度で退学?」と思う人も少なくないだろう。
なぜ、そこまで特に素行が悪かった訳でもない彼女に対し、高校側がそこまでの判断をしたかは分からないが、彼女は徹底的に戦った、裏切る教師達に「生活がかかった大人の現実と汚さ」を見ながら。

父親の自殺後、家中の資産をかき集めて出来た140万円のうち100万を母親から渡され、背水の陣で上京した西原氏は、予備校での絵の成績は最低、つまり「ヘタ」だったという。

自分の実力と理想との差を、客観的に計る力を身につけた彼女の答えは以下のようなものだった。
「そもそも、私の目標は『トップになること』じゃないし、そんなものハナからなれるわけがない。じゃあ、これだけは譲れない、いちばん大切な目標は何か。『この東京で、絵を描いて食べていくこと。」
「自分の得意なものと、自分の限界点を知ること。『それなら、ここで勝負だ』って、やりたいこと、やれることの着地点を探すこと」
「最下位の人間には、最下位の戦い方がある!」

そして彼女は予備校時代から営業に周り、イラストカットの仕事を取るようになる。現場で必要だったのは、単に絵のうまさではなく、トークだけでもなく、相手が面白がる、必要とする事を敏感に感じ取り、喜んでもらうこと。
それが「『才能』って人から教えられるもの」という言葉に集約されている気がする。


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第3章
ギャンブル、為替、そして借金。「カネ」を失う事で見えてくるもの。

『まあじゃんほうろうき』というマンガがある。最近の映画化ヒットものを除けば、西原氏の著書の中でも結構有名な方だと思う。
当初は仕事として始まった麻雀も、10年でマイナス5000万円。ギャンブル中毒で死んだ父親がありながら、同じ道を歩んだ彼女を「愚か」と片付けてしまうのは簡単だろうか。

最終的に、そこまで堕ちていかなかった理由はここで「良き師匠」がいたからだとする。それは「ギャンブルは負けて当然。大人としての授業料を払い負け方を学ぶところ、マナーとラインを知るところ」というような価値観。
別の企画でFX投資に手を出し、一晩で何百万、何千万という金額が消える経験から、彼女はかつて漁師の街で知っていた魚の臭い、生活の匂いが染み付いた「お金」と、データ上の数値が変化するだけの「カネ」の違いを実感する。

手で触れることの出来る価値の幅が、人の金銭感覚を左右する。損したくない・得したい それだけが中心になってしまう経済は、人間関係のセンスをも蝕んでいく。
「子どもにマネー教育を」という声には、僕は簡単には賛同しかねるが、良くも悪くも僕たちの社会を流れる血液のような存在「お金」に、無頓着ではいられない。


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第4章
自分探しの迷路は、「カネ」という視点を持てば、ぶっちぎれる。

西原氏は、学生時代にアルバイトをしてお金を稼ぐということに大いに推奨している。お金の重み、叱られるという経験、社会のしょっぱさ。
同時に、働いていく中では沢山、自分の心に嘘をついたり、我慢しなきゃいけないことがある、そういう事が日本の自殺者年間3万人という数字に繋がるのなら、「逃げちゃってもいい」とも言う。

もちろん、一時的な避難場所はずっと担保されている訳じゃない。そんな社会の中で、何の仕事をして生きていくのか。以下の彼女の言葉は非常に参考になると思う。

「カネとストレス」「カネとやりがい」の真ん中に、自分にとっての「バランス」がいいところを探す。それでも、もし「仕事」や「働くこと」に対するイメージがぼんやりするようならば、「人に喜ばれる」という視点で考えるといいんじゃないかな。
自分が稼いだこの「カネ」は、誰かに喜んでもらえたことの報酬なんだ。そう実感することができたら、それはきっと一生の仕事にだって、できると思う。


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第5章
外に出て行くこと。「カネ」の向こう側へ行こうとすること。

この本の最後の章には、フィリピンと同じようなカンボジアのスモーキーマウンテンと、グラミン銀行の事例が紹介されている。

貧困の連鎖で最も恐ろしいのは、「思考停止になってしまうこと」そして「諦めてしまうこと」
それを断ち切る為に必要なのは、単なる自己責任論でも、施しでもない。でも、当事者の強い意識と、外の世界からの誰かの支えが必要なのは確かだ。

「人は生まれた環境を乗り越えることができるか?」
この本に一貫したテーマは、人が働いていくこと、誰かと関係して生きていくことの先にしか見えないのだと答えているように感じた。


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個人的雑感
Not for Profit だからこそ

正直、自分はしんどい程の貧乏を経験したことが無い。裕福だった訳じゃないし、家庭にはそうとうなストレスを頂いて、その後の人生がちょっと普通じゃないものになってしまったけれど、大学の学費も全て払ってもらった。
就職してからも、平均して20万強の手取り収入+年3回ボーナスという今時破格の待遇。一人暮らしの家と車があって、それなりに財布の中身を気にせず外食も出来たし、たまに家具やPCも買えた。

1年前にそんな安定した仕事を辞め、28歳という「いい年」にして無職となった。
東京に行き、普通は学生時代にしか存在しない「インターン」という肩書きでいくつかのNPOを周り、それなりに得るものは多くあったと思う。

だけど、その経験は「資格」や「肩書き」に直接繋がるものではない、会社員時代の経験では、はっきり言ってビジネススキルなんてないに等しい。つまり、今の僕はこの資本主義社会で生きていくにはかなり不利な状況に追い込まれている。
将来のことを考えて、自ら追い込んだといってもいいかもしれない。

自分はかなりの現実/安定志向だ。
将来はビッグになりたい訳じゃなくて、家族で穏やかに暮らしていきたい。だけど、その為には会社に依存せず、自分の手で、力で飯を食っていく力が必要になる。
自分をきちんと経営し、誰かに感謝され、必要とされる仕事をしていかなければならない。同時に、次の時代を切り開いていきたいなら、今はお金にならない仕事も創っていかなければならない。

実家で最低衣食住は保証されているから、今のところ携帯代と社会保険さえ払えれば何とかなってしまう部分もあって、とにかく、ぬるいなと自分で思う。
新しい金融や、寄付市場の更にその先。ソーシャルキャピタルだけで生きていける「お金なんて無くなくたって」を証明しようと思うなら、今の僕はもっと「カネカネ」言わなければならない。

勝つための戦いではなく、負けないために。

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2011年9月29日木曜日

JG18日目「アメリカン・エキスプレス・リーダーシップ・アカデミー」

9/23~25に僕が参加した、ETIC.の研修の正式名称は「アメリカン・エキスプレス・リーダシップ・アカデミー」
そう、カード会社として有名なアメックスと、ETIC. の共催、そして全体監修はMOVIDA JAPAN 株式会社代表取締役の孫泰蔵さんという、贅沢なラインナップ。
(お誘い頂きましたETIC.の野田カオリさん、またその機会をくださったマドレボニータの吉岡マコさん、ありがとうございます)

僕自身は(まだあまり正式には公開出来ないのですが)近いうちにとあるNPOの経営に参画するということで、スタートアップ社会起業家や学生団体リーダーに混じって参加させてもらいました。





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■改めて

3日間がっつりの泊まり込み研修を終えて、改めて配布された資料を見返すと、一番始めの【ごあいさつ】という箇所には、プログラムの主な目的として以下のようなことが書いてあります。

1.ビジョン、振り返り
自らのビジョンを社会の中で再定義し現状の自分/組織とのギャップを再確認する。
2.モデリング
様々な実践者、理論をもとに、自らが目指すリーダーシップスタイルをイメージし、目指すべき方向性を定める。
3.ロードマップ
目指すべきリーダー像に対する現状のギャップをあぶり出し、リーダーシップを発揮している状態をKPI化し行動計画を定義する。

事前の課題としても「ビジョンシートの提出」を頂いていたのですが、今回の研修終了後に求められていたものは
【  自分の、自分の団体の「ビジョン」を明確にし・人に伝え共感を得られる形にし・その実現のための手段を確認する 】
事だったと思います。もちろん、完成版としてではなく今後常にアップデートしていくための基盤/姿勢づくりとして。



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■気付き

最終日には参加者全員でそれぞれのプレゼンを行う という前提のもと、インプットの講義とアウトプットのワーク等は続いていったのですが、その中での気づき。
(以下のスライドは自分のプレゼンから一部抜粋)



◎他の参加者からのフィードバックで気付いた事は、自分の団体は中間支援(基盤整備)のため、ビジョンや目標達成値を自団体+NPOセクター全体で切り分けて、それぞれにアウトプット/アウトカムの区別を明確にしておかないと、相手の実感まで落とし込めないということ。
(それをやると結果どうなるの?という状態)

◎次に、メンターになって頂いたSVP東京代表・岡本拓也さんからの問いかけ、ご指摘での気づきは、自分が重要だと思っていること=相手が重要だと思うこと ではない という、ある意味当たり前なこと。
最終日のプレゼンは4分/5スライド以内という非常にタイトなもの。その前提条件の中で自分が最初に削った要素が、実は最もイノベーティブで社会に発信すべき価値であったということにショックを受けました。
その後、一旦プレゼンを解体し、完全徹夜で作り直したのですが。。。

◎最終的に、プレゼン本番で、かものはしプロジェクトの村田さやかさん始め、他の皆さんの優れた発表とスライドの創り方から気付かされたのは「個人ストーリー」の必要性。
自分が立ち上げのNPOではないとは言え、やっぱりそこへの意識ってきっともっと擦り合わせて語れたはずで。「なぜ、あなたがそれをやらなければならないか?」という問いに答えられていなかったように思います。



◎総じて、最も悔しかったのは、それぞれの気づきが決して「今回初めてのものではなかった」ということ。
客観的な視点の必要性はもちろんのこと、マイストーリーが必要だということは、慶應SFC井上研究室の「マイプロ」を見させてもらって、自分でも実践した経験があるにも関わらず、団体のプレゼンを作成するとなると結構、頭が説明的に切り替わってしまうことに後から気付きました。
まだまだ、それぞれの学びが一つのアウトプットを形作る為に繋がっていないなと反省。

◎KPI(Key Performance Indicators=重要業績評価指数)に関しては、孫さんからも「そこがもう一歩足りない」とご指摘を頂きましたが、これまであまり実践的に触れてこれなかった領域なので、岡本さんの「KPIは目標そのものとは少し違って、その目標を達成するためのキーとなる行動にブレイクダウンし設定すると良い」という言葉を意識して、今後活用出来ればと思います。


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■リーダー?

僕は大学の時、社会学的な「組織運営」をテーマに、リーダーシップ含め色々と勉強していたことがあるのですが、特に今、自分がリーダーとか、社会起業家になりたいとは思っていません。
ただ、今よりも良い社会に向かって進もうとするなら、まず自らが変わり実践していくこと、そしてその変化のプロセスに少しでも多くの人が参画できるような、「デザイン」を考える必要・責任はあるかなと思っています。

研修の2日目にこれまた著名なHRインスティテュート・代表取締役の野口吉昭さんが語ったように、リーダーシップは時代によって変化し、最近ではファシリテーター型のリーダーシップが求められているように感じます。
もはや Lead=導く という単語自体が、整合性を持たなくなってしまっているのかもしれません。

今回ETIC.と共催であるアメリカン・エキスプレスさんの講義でも「社員全てがリーダーシップを発揮出来るように」であるという理念のもと、優れたリーダーの研究から抽出された行動特性を分析/類型化し、社内のある種バイブルとして共通用語を作っていっているとのこと。
ここではそこで紹介されたごく一部分しか転載しませんが、非常に具体的な定義や高パフォーマンスの事例についてもかなり具体的に示されているので、改めて見直すつもりです。

*行動特性(コンピテンシー)
リーダーシップにより成果を生み出す行動を4つのカテゴリーに分類。そして4つのカテゴリーを更に具体化し①~⑧に細分化、定義。
・ Create Our Future(未来を創造する)
①戦略性…広い視野をもって戦略を計画や目標に明確に結びつける。 
②創造力…現状を打破して、革新を推進する準備ができている。
・ Inspire Our People(社員を鼓舞する)
③関係構築力…目標を達成するために、チーム内およびチーム間で労力/リソースを調整する。 
④コミュニケーション能力…率直に、その場で建設的な意見を言う。人の話を良く聞き、協力的である。 
⑤人材育成能力…権限委譲と能力開発を通じて、目標を達成するよう動機付けられ奨励される、コミットメントの高い職場環境を作る。
・ Excite Our Customers(顧客を感動させる)
⑥顧客尊重…前もって顧客のニーズを予測して、具体的な要求を見極める。卓越した価値を確実に提供する。
・ Deliver on the Promise(約束を果たす)
⑦実行力…計画を前もって立てて、プロジェクトを推進するために行動を起こす。状況の変化に対応するために行動を修正する。 
⑧誠実さ、成熟度…自分自身の長所と短所を理解していて、自己啓発に取り組む。頼りになり、親近感があり、率直で、正直である。


最後に、ドラッカーの言葉を引用。
「リーダーシップは資質ではなく仕事である」
これ、すごくステキな考え方ですよね。 

あの場にいたメンバーが決して「選ばれた人間」ではなく、「気付いた一個人」だと思って、「みんながヒーロー」な未来へ、僕は進んでいきたいと思います。

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もっと深く学びたい、という方はネット上に関連リンク見つけましたのでぜひ。
http://diamond.jp/articles/-/1906
http://allabout.co.jp/gm/gc/377805/
http://www.nrf.com/Attachments.asp?id=20443 (PPT)

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2011年9月27日火曜日

JG17日目「困難を乗り越えるリーダーシップ」

ETIC.リーダーシップ研修、学びシェアシリーズ第二弾は、民間から「新しい公共円卓会議」の委員もなさっていた小城武彦氏。
個人的には、今回のプログラムの中で(ワークやシェアを除いたインプット側のセミナーでは)一番刺激を受けた内容でした。

東大法学部卒業後13年務めた旧通産省を飛び出し、初期のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(TUTAYAの会社ですね)、そして産業再生機構へ。
カネボウの劇的な事業再建から丸善の代表取締役を経て、出版業界全体の危機を乗り越えるべく丸善CHIホールディングスで、今も困難の真正面で奮闘を続ける氏の生き様に、深い感銘と学びを得ました。

「丸善CHIホールディングス」


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◆2つの大きな問い
「なぜ、貴重な人生を今の仕事に使っている?」
「その仕事は自分の成長のためになっている?」

◆同質性の高い日本組織はムラ化しやすい
・ベンチャー企業はリソースが少ないため、人材の稼働率が常に120%。2~3年で急速に人が成長する。通常の組織では7~8割程度の力。
・なんとなく、白黒付けずなあなあになり「激しい議論は大人げない」とされる。これに対し本当に良い組織の会議は、前後でメンバーが変化する
・組織風土が甘い。マネージャーの考課がぬるく、フリーライダーを黙認している。その結果、個々人の自己評価は高いが業績不振という状態に。
・第三者的視点に立つ評論家が増殖、何か不都合があるとすぐに人のせいにする。
・顧客の都合<上司の都合になっており、マネージャー=偉いと勘違い。仕事を部下に丸投げし、管理職のスケジュールがスカスカに。
・人材は使命を忘却し、人間関係を優先するようになっている。
・なぜその仕事をしている?/自分は成長している?に答えられない社員。大企業ほど機能別で社会との接点が視野に入らず、会社のロイヤリティーが部門の周辺・同僚になってしまう(うちの会社=少人数)日常業務を通じた貢献感の欠如が根本的な原因。
・魔の3文字は「どうせ」減点主義の人事制度+新入社員の問題意識封殺
・欧米は「罪の文化」唯一絶対の存在をモラルとするなのに対して、日本は「恥の文化」他人の目が判断基準。逆に言えば、周りがやっていればOKになってしまう。
・日本文化において「今、ここ」に集約する世界観がある。「過去は水に流す」「明日は明日の風が吹く」

◆経営者として
1)人間観=正直で透明な組織運営、会社を離れて一人の人間としてOKか?
2)企業観=経営理念、社会に存在する理由。利益はあくまで手段
3)ステークホルダー観=従業員※>顧客>株主 ※但し全員ではない
4)トップの専管事項への注力=経営理念の浸透活動と、痛みを伴う施策
5)合理と情理の止揚=株主は合理とグローバル/組織は情理とローカル

◆個人として
1)ミッション=使命は命を使う事、日本人を元気にしたい
2)日本人アイデンティティ=知の巨人、本から学ぶ
3)成長=1年前の自分、10年前の自分と比べる(外部調達不可な右脳能力の開発を優先)
a.先輩から学ぶ
b.人間関係から逃げない
c.苦手なタイプと付き合う 
d.相手の知らない裸の自分をさらす
e.相手の靴を履く=相手の体温を感じる意識
4)リスクを取る=先人達のおかげで、失敗しても死ぬ事はない日本社会
5)自省を怠らない=はじめの大きな2つの大きな問いを常に自分にも

◆ユダヤ人の最後の問い
(死ぬ前に、自分の人生の行いや決断を振り返った時)
「お前はお前であったか。」


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もっと深く学びたい、という方はネット上の音声インタビュー見つけましたのでぜひ。
キャリアアップ・転職のFコミュ動画 → http://career-finders.net/videocast2/t-ogi/


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2011年9月26日月曜日

JG16日目「リーダーシップとイノベーション」

9月の23〜25日、ETIC.のリーダーシップ研修に参加していました。

本を読む時間は全くなかったので、期間中はお休みとJustGivingのページには事前に書いてはいましたが、学びの振り返り含め、印象に残ったプログラムでの学びをここにシェアしたいと思います。 

連続して何日分かをアップしていく予定ですが、初日23日からはこのセミナーの全面監修でもある、孫泰蔵氏(ソフトバンク孫正義氏の弟さんで、ご自身も大変著名な実業家でいらっしゃいます)からの社会起業家の役割とイノベーションについてです。
ここはインプットが多かったのでメモ的ではありますが。


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●アントレプレナーシップとは
技術革新や規制緩和が生み出すイノベーションにより、人々の潜在需要であるニーズを満たす新しいバリュー創造の可能性に“いち早く気付き、実現するという行為”

●心構えとして
「他人はごまかせる、だが自分を納得させることほど難しいことはない」
「楽観的であれ、ただし楽観的になるためにはとことん突き詰めるしか無い」
「Think Big.多く考えろ、小さくまとまるな」
「集中力と発散力の使い分け、目の前だけでなく離れて広く見る鷹の目を」

●リーダーの思考の組み立て方
必ず上位概念を組み立ててから下に降りていく。手法ありきでは必ず失敗するので、下から上には決して進んではならない。(下図を参照)



●ビジョンとは
自分達と社会が将来ありたいイメージ
具体性をともなった視覚的なもの
それを見た人にちからがみなぎるもの
共感できて応援したいもの
視覚に訴えるものが重要!できれば映像で
1分で伝わる深イイ話を参考に

●兄である孫正義氏のアイデア発想法
・問題解決型発想法
日頃困った事、面倒だと思うことをメモにしておく
・逆転発想法(水平思考)
単語長1個に名詞を書き出しておき、めくって出たものの特性を反転させてみる
・複合連結法
単語帳2組に名詞を書き出しておき、めくって出たものの特性を組み合わせてみる

●コンラッド・ヘロウド発想法
・Challenge Thinking
変えたい制約に焦点を定め、制約が無くなった場合の世界を考える
・Idael Thinking
現在地/理想/理想への到達方法を明確にする
・Strech Thinking
現在の状態に対して絶対無理な目標を設定し、その達成方法を考える

●目標と成果
無理と思っている限り新しい方法に取り組めない、焦点を定める必要がある
「目標が行動を促し成果が行動を持続させる」
KPI=Key Performance Indicator 指数設定の重要性
中期目標→短期目標→KPIのブレイクダウン
スケジュールの重要性
・目標を設定しなければ人は動かない
・計画は、現状からの予測(足し算)ではなく、目標値からの逆算(割り算)で作る!

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